ぬくもり

温度が砕け散る、
パリパリ欠片をまいて。
真冬のドアを開ければ
温もった空気がすっと身を引く
朝の、意思。

どこまで捨てられない、
使い捨てカイロ。
ポケットの底、かさかさに固まって
崩されては構築される。

知っていた、
全てのあたたかさは適温を保ち続けられない。
発熱する指先
突沸するクラムチャウダー
冷たい湯船
この曖昧な関係性。

日だまりの嘘を見抜けなくて、
マフラーを失くした。
反射光。まぶしくて目を細めても、
姿は消えずに。
漂白された首筋は無口で、
左耳だけが明るい。

2016/1/31