決壊する日

泣く代わりに飲み干して、
体内にあふれさせる 水分を。
ごくり、ごぼごぼ、
嗚咽をまぎれさせながら
飲み込み飲み込み、ボトルを空ける。
憎みも恨みもせず、淡々と底を見つめて。

冷えていく 口 喉 胃 が、
現在地を教えて意識を引き戻す。
瞬く目尻さえ痕跡を残さず、
果てていく。
透明に滲んだ視界をうそぶいて
絶えない呼吸。

思うさま表していた日々はどこまでも遠くて
目を細めても見えない。
頬づえの奥、記憶だけが渦巻く。
順列組み合わせで描き出される偽りと本当のマーブル模様、
ぐしゃぐしゃの感傷など捨ててしまえ。
丁寧に分別されるゴミ箱の間にねじ込み、
滑らかな肌だけを空気にさらす。

消えたふりの滴は手放せないボトルに張り付いて、
存在を誇示している。
外から内へと取り込まれ
水分は爪先に落ちてたまっていく、頭の上に届くまで。
決壊する日を焦がれているのだ。

2016/3/6?