双子だった

わたしたち、双子だったね。
今はもう、顔も違うし、身長も違うし、髪の毛の長さを変えなくても見た目の区別がつくね。

あのころ、おそろいの服を着て、おそろいの化粧をして、ヒールの高さで身長を調節して、ふたり、そっくりに生きていたのは無意味じゃなくて、身を守るひとつの手段だったよ。
わたしにとっては、鏡のあなたがいることが、大きな安心だった。
顔が同じで、わたしたち、考えることは少しずつ違って、そっくりな別々だということは分かっていたの。
髪の毛の長さだけ変えたふたり、はそっくりな一対で、いつかは終わることも気づいていたから。

終わりは自然の流れだった/いつまでも一緒にはいられない。
考えることの隔たりも大きくなったね。
ひとりであることをくっきりとさせていった。
もう、おそろいでなくても立っていられる。

わたしたち、双子だったね。


#ヘキライ 参加作品
季刊ヘキ https://twitter.com/kikanHEKI
2017/9/23